クラシック音楽で犯罪と闘う
クラシック音楽で犯罪と戦うことについて知っておくべき5つのこと(ここより引用)
バッハとヴィヴァルディの音は本当に浮浪やその他のささいな犯罪と戦う力を持っているのか?!
サンフランシスコのダウンタウンにあるバーガーキングは、ホームレスや浮浪者が物乞いしているので有名な一角にあります。
最近、クラシック音楽を街の通りにむけて放送するという珍しい抑止戦略を始めたという事で新聞の見出しを飾りました。
バッハやヴィヴァルディの音は本当に浮浪者やその他の小犯罪と戦う力を持っているのでしょうか?
この非正統的な犯罪抑止戦術について知っておくべき5つのことを次に示します。
1.都市は、犯罪を阻止するために公共の場でクラシック音楽を使用しています。
サンフランシスコのファストフードフランチャイズによるクラシック音楽の使用が最近のメディアの注目を集めています。
この戦略は世界中のいくつかの都市で実施されています。
2.本当に効果があるのか?
2003年にロンドン交通局が、犯罪の多いエルムパーク地下鉄駅でクラシック音楽を流して成果を上げました。
そこで、サンフランシスコでも公共の場に音楽を流す戦略を実行してみようということになったのです。
Independentによると、おそらく最もよく知られているケーススタディであるエルムパーク地下鉄駅の例では、強盗が33%削減され、スタッフへの暴行が25%削減され、破壊行為が18か月以内に37%削減されました。
別のサクセスストーリーでは、ワシントンのタコマモールトランジットセンターで、クラシック音楽の演奏を開始したときに破壊行為が「大幅に減少」したと報告されています。
もちろん、すべての都市で良い結果が得られているわけではありません。
フロリダ州ウェストパームビーチの警察は、浮浪者がスピーカーを破壊し始めた後、プログラムを廃止しました。
3.なぜ効果があるのでしょうか?
研究によると、ストレスの解消から睡眠の質の向上まで、さまざまな音楽ジャンルが気分にプラスの影響を与える可能性があります。
メンタルヘルスの専門家は、脳の治療において音楽の力を利用しています。
音楽が人間に与える劇的な影響を考えると、クラシック音楽の戦略がいくつかの都市で成果を上げているのは当然のことです。
しかし、なぜそれは犯罪を抑止するのでしょうか?
この現象についての詳しい研究はありませんが、多くの理論があります。
【シアトルタイムズの見解】
脳内のドーパミン産生の結果である可能性があります。
神経学者によると、特定の種類の音楽が犯罪抑止力として機能する理由は次の通りです。
①人々が楽しんでいない、またはなじみのないものに対する神経生物学的反応にある可能性があります。
快楽と報酬に関連する神経伝達物質であるドーパミンの産生は、脳の「快楽の中心地」の1つである側坐核によって調節されます。
②人々が好きな音楽を聞くとき、それはドーパミン生産を刺激し、彼らをより良い気分にさせます。
③人々が音楽を嫌うと、脳はドーパミンの生成を抑制し、気分を落ち着かせ、音楽を避けさせます。
インディペンデントは、クラシック音楽をクールではないと見なしているという理由だけで、音楽が不良達を撃退する可能性があると報告しました。
④音量が会話の邪魔になるから
モデストビーから、インタビューを受けた浮浪者は、地元のセブンイレブンでクラシック音楽を流し始めたら、音量が大きくて、たむろして話すことができなくなったと言っていた。
4.この戦略は批判を集めています。
犯罪を抑止するためにクラシック音楽を使用することは問題があると考える人もいます。
5.音楽が武器として使用されているのはこれだけではありません。
型破りな武器として使用されている音楽の長い歴史があります。
軍はこれまで、ヘビーメタルを含むさまざまなジャンルの音楽を戦略として使用してきました
思春期のお子さんをお持ちのご家庭は、わが子の言動に気になること多々だと思います。
ぜひ、さりげなくおうちでクラシック流しておいてください。
ロンドン地下鉄での取り組み
マインド・ザ・バッハ:地下鉄でのクラシック音楽(ここより引用)〜イギリスの記事
(翻訳 バイオラ大学 河村まなみ)
クラシック音楽は40の地下鉄の駅で反社会的行動を減らすために流されています。
ラッシュアワーの交響曲が本当に必要かどうか、筆者は探ってみた。
ロンドンの地下鉄ヴォクソール駅の通勤客で埋め尽くされている駅構内には、マーラーの音楽が流れています。
正確には、彼の交響曲第1番のゆっくりとした動きは、おなじみの童謡「フレールジャック」に基づく葬送行進曲です。
月曜日の朝の8:30に駅のスピーカーを通してこの曲を流そうと決めた人は、少しねじれたユーモアのセンスを持っているに違いありません。
ヴォクソール駅ではクラシック音楽を流し始めてからすでにしばらく経ちますが、これが犯罪と反社会的行動を減らすのに非常に効果的だとロンドン交通局が公表したのをきっかけに、他の40駅でもクラシック音楽が流れるようになり、現在、更に多くの駅が加わってきています。
このアイデアはもともとカナダから来ました。
1990年代半ばにモントリオールのあるスーパーマーケットではいつも不良達がたむろしていて困っていました。
それで対策のためにクラシック音楽を流したところ、成果があったのです。
イギリスでは1997年にタインアンドウィアという高速鉄道で最初にテストされました。
それがうまくいったという兆候があったので、2003年にディストリクト線のエルムパークはそれを試す最初の地下鉄駅になりました–ここは列車の運転手がそこで止まるのを恐れるようなギャングの問題があった場所だったのです。
オペラ歌手のパヴァロッティの声がトラブルを起こしていたギャング達へ対抗した結果、18か月以内に、強盗は33%削減され、スタッフへの暴行は25%削減され、破壊行為は37%削減されました。
クラシック音楽を流すとなぜ効果があるのか、その理由については、様々な意見があります。
1つは、反社会的な若者の音楽の好みに合わないということです。
次に、10代の若者は、大人には聞こえない高周波の倍音が聞こえるのですが、
それが大変な耳障りになるので、彼らを遠ざけることができます。
(ただし、同じ年齢の音楽の学生は明らかに免疫があります)。
残りの私たちについては、TfLが700人の通勤客を調査したところ、
「クラシック音楽は心地よく、ストレスが少なくリラックスできることに圧倒的に同意しました」。
また、人々は犯罪から守られたいというより、犯罪を恐れる心を無くしたい、と思っているらしいのも理由の一つかもしれません。ベートーベンを少し聞くと、勇気が出てくるような気がしますよね。
ブロードチャートという名前の下請け業者によって選ばれた、地下鉄駅構内で流される40時間分の音楽のプログラムは、
主に18世紀と19世紀の音楽で構成されており、よく知られているもの、そうでもないものもありますが、すべての曲は調性がはっきりしていて、メロディーもしっかり存在します。
ほとんどの人はそれを好むようです。
(クラシック音楽は人気がないと思われていますが、実際には好きな人達は結構多いのです。)
あらゆる状況に適した作品があることは間違いありません。
エンジニアリングの残業により帰宅が遅れた場合は、シューベルトの「未完成」交響曲が癒してくれます。
壊れたエスカレーターを歩いて登らなければならない時、シュトラウスの「アルプス交響曲」がエネルギーをくれます。
または、凍りつくような真冬には、ヴィヴァルディの「四季」、プロコフィエフのシンデレラから「冬の妖精」、
チャイコフスキーのくるみ割り人形から「スノーフレークワルツ」などの冬の作品を聞いて、凍てつく寒さの中に楽しみを少しでも感じることができます。