音楽のレッスンが脳に与える良い影響

右脳は感覚、左脳は思考・・・は過去の話

右脳は感覚をつかさどり、左脳は思考をつかさどる、と言われるのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

けれども、脳科学の発展によって、今は、右脳は感覚、左脳は思考という見解は古くなっているのです。

 

最近の研究によれば、音楽と言語は、同じ場所で認知されていて、

左右両方の大脳半球を使用していることが分かってきています。

 

しかも、音楽の方が、言語より脳を広範囲で使用しているのです。

幼児期の聴覚の重要性

渕上達夫著「事象関連電位からみた小児の認知発達」では、次のようなことが示されています。

 

・「聴覚」は単なるを聴力を意味するものではない

・幼児期に言語としての音の理解のために必要な能力

・音に気付き、音の強さ、種類、音色、高低、リズム等を認識し、区別する複雑な機能

・聴覚の発達に伴って言語理解の能力が飛躍的発達を遂げる

・また音の感度、方向性、弁別、認知力も著しい発達をとげる

・幼児は雑音の中から重要な音を聞く力などを付ける

 

つまり幼児期に聴覚の発達を促す刺激を与えることで、言葉の発達に良い影響を及ぼすことが期待できます。

 

さらに”雑音の中から重要な音を聞く力を付ける”とされているところに注目してください。

 

私たちは、雑踏の中でも、一緒にいる人と会話をすることができます。

それは、雑踏の中から重要な音を聞き分けているからです。

この能力がなければ、全ての音が同じ音量で聞こえてくることになりますので、

雑踏の中での会話はとても難しくなります。

 

 

南カリフォルニア大学での追跡調査

カリフォルニア大学で2011年から5年間の間に行われた興味深い追跡調査があります。

 

音楽教育を受けたことが無い6歳から7歳の子どもを集め、

①バイオリンのグループレッスンを受ける子ども

②スポーツのトレーニングを受ける子ども 

③何のトレーニングも受けない子どもの

 

3つのグループをつくりました。

 

すると、バイオリンのグループレッスンを受けた子どもは

音情報の処理能力が8歳~9歳の時点で、ほぼ大人レベルだったという結果がでました。

さらに、言語を聞いて理解する能力、コミュニケーション能力も優れていたというのです。

 

 

 

つまり、どんな良いことがあるのか

もし、小学校に入学する前後から音楽教育を受けていたら、子ども達は教室内で雑音があったとしても、先生の話を他の子より、より正確に早く聞くことができる可能性が高いと言えます。さらに、コミュニケーション能力が高くなれば、人間関係を友好的に築いていくことも期待できます。

 

また、3~4歳で音楽的リズムを打つ訓練を受けた子どもは、そうでない同年代の子どもより、言葉を早く習得する。とされています。

https://pdfs.semanticscholar.org/abab/c044bf45342676cacf84f664651925c56d65.pdf

 

つまり、学業成績に良い影響があり得ると言えるのです。

 

音楽教育を受けさせるのであれば、演奏の技術はもちろんですが、ぜひ、リズム打ちなども積極的に取り入れたレッスンを希望されることをお勧めします。