音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす②

音楽教育で出席率もアップする!

前回の「音楽教育は、学業成績に良い影響を及ぼす①」というコラムでは

カレッジ·ボード(大学入学用全国模試を行う機関)の統計を見ると、

2015年に全国模試を受けた高校生のうち、4年間音楽のクラスを取った生徒は

1年半以下しか取らなかった生徒より2400点満点で平均で92点、総合点が高かった。

(National Arts Administration and Policy Publications Database, “Arts Facts: SAT Scores and the Arts” 1999 – 2015)

ということをご紹介しました。

 

今回は学校の出席率アップに関する研究をご紹介します。

 

音楽の授業がある学校は、ない学校より10%近く出席率が良い。

(The National Association for Music Education.Music Makes the Grade.The National Association for Music Education. Accessed February 24, 2015)

 

こちらの論文も日本語では一般に公開されていない貴重な資料です。

 

もちろん、学校の授業内容や先生にもよると思うのですが、

音楽がある日は学校に行くのが楽しみだ、と感じる人は多いようです。

 

クラスでの授業を様々な理由から受けることができない生徒も、

「音楽の授業は受けたい」と葛藤していることもあります。

 

私が京都で中学校講師をしていた時のことです。

保健室登校をしていた生徒が

「音楽の授業は受けたいけれど、クラスのみんなと教室に入ることができない」

と相談され、個別に音楽の授業をしていたことがあります。

音楽が得意な生徒ではありませんでしたが、

リコーダーを練習したり、音楽の歴史の話をしたりすると、

とても楽しそうに出席してくれていました。

 

音楽好きな生徒、得意な生徒だったら、音楽の授業がある日は特に学校に行くのが楽しみになるはずです。

 

ピアノのレッスンにおいても、同じようなことが言えます。

学校が緊急事態宣言で休校になっても、ピアノレッスンには通いたい!と言って下さる方がとても多かったからです。

 

 

学校には、もちろん、音楽の授業が嫌いな子、苦手な子も一定層いるはずです。

それは、日本でもアメリカでも同じでは無いでしょうか。

それでも出席率が上がっているという現実があるのです。

 

児童、生徒本人が気づいていない不思議な効果、影響が音楽にはあると言えます。

 

高校生になれば、芸術科目は選択科目になりますが、何を選択するか迷ったら、

ぜひ、音楽を選択されることをお勧めします。