子どもが練習しないと、なぜイライラするのか

ピアノのレッスンに通うようになると、

毎日練習して、上達して欲しいと思いますよね。

けれども、習い始めの頃は、毎日練習していたのに、

だんだん練習する日としない日が出てきて、

仕舞にには、レッスンに行く前に少し練習するだけになってしまった、

という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、親御さんご自身が子どもの頃にピアノを習っていたけれど、

自分もそうだった、なんていう方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 

1.「なんで練習しないの!」は言わないで下さい

練習せずにピアノのレッスンに行くなんて、

先生にも失礼だし、お月謝が勿体ない!

そこで、つい「なんで練習しないの!」と言いたくなりますよね。

けれども、子ども自身、どうして練習しようとしないのか、分かっていないこともあります。

ですから、「なんで練習しないの?」と言われても、

答えられないことがあります。

 

自分では気づいていないかもしれませんが、

練習しない理由には次のようなことが考えられます。

 

  • 練習曲がだんだん難しくなってきた。
  • 好きな曲じゃないから、練習が面白くない。
  • 弾けない箇所をどう練習すれば良いのか分からない。

多くの場合、この3つのどれかに当てはまります。

ピアノが好きな気持ちには変わりがないのに、

自分が弾きたいように弾けないと、

練習するのも嫌になってくるのは、大人でも気持ちが少し分かりますよね。

 

ですから、そんな時は、まずは

「どうすれば、毎日練習できるようになると思う?」

と、これからのことを冷静に話し合うようにしてみて下さい。

反省は大切ですが、出来なかった過去のことを考え続けるより、

未来のことについて考えた方が前向きです。

 

 

次に、先生に相談いてみるようにしては如何でしょうか。

最近、自宅での練習がうまくできていない旨を伝え、

自宅練習ができるようにするために、どうすれば良いか、

アドバイスを貰うのです。

ピアノの先生は、レッスンに来ている間だけ面倒を見れば良いという訳では無いと考えています。

自宅での練習をどのように進めていけば良いのか、

また、自宅ではどのように練習すれば良いのか、

などの相談にも応えていくことも大切な仕事だと思うのです。

 

相談する時のポイントは、レッスンが終わってから相談しようと勝手に決めないことです。

次の生徒さんが待っていたり、先生にもスケジュールがあったりします。

事前に、子どもの自宅練習のことについて相談したいので、

お時間頂けませんか?と連絡してから、相談に伺ったり、お電話をしたりする方が良いでしょう。

 

 

 

2.身近な人にはイライラしやすくなる

身近な人にはイライラしやすくなることに気付いていますか?

例えば、自分の子どもがピアノの練習を少ししかせず、遊んでばかりいたら

「ちゃんと練習しなさいよ」と言いたくなります。

けれども、お友達のお子さんだったらどうでしょう?

「ピアニストになる訳じゃないなら、楽しくレッスンに通うだけでも良いじゃない」

と笑顔で言えそうじゃありませんか?

 

同じことをしていても、自分の身近な人にはイライラするんです。

理由は、それだけ期待が大きいからです。

 

もっと練習すると思っていた期待を裏切られるので、イライラ。

さらに、ピアノを買ってあげたのに、というイライラ。

お月謝を払って習わせてあげているのに、というイライラ。

レッスンの送迎をしてあげているのに、というイライラ。

さらに、このイライラした気持ちと混ざって、

努力が報われない悲しい気持ちもプラスされるので、さらにイライラしてしまうのです。

 

イライラして子どもに怒ってしまう時というのは、

自分の心の分析は冷静にはできません。

けれども、今、自分はどんな感情からイライラしているのだろう、

と少し立ち止まって自分の気持ちを丁寧に扱うと、

子どもの気持ちも自分の気持ちも大切に思っていることを伝えることができますよ。

 

「練習しないなら、辞めさせるからね」

「練習しないなら、ピアノ捨てるよ」

などと、感情をぶつけて脅したりするのではなく、

気持ちを言葉にして伝えるようにしてみて下さい。

 

「○○ちゃんがピアノを弾いているのを聞く時間が好きなのよ」

「最近、上手になってきたな、って思っているのよ」

「ピアノを弾いている○○ちゃんって、とっても素敵だよ」

・・・だから、練習していない姿を見ると悲しい気持ちになる。

 

子どもはちゃんと、親の気持ちを分かってくれると思いますよ。