先生によって教え方が違うのはなぜ?

今まで、何人かの先生に師事してレッスンを受けた経験をお持ちの方は、

もしかしたら、先生によって、どうしてこんなに教え方が違うのかしら?

と疑問に感じたことがあるかもしれませんね。

私も同じです。

 

子どもの頃にピアノを教えて頂いた先生2人

受験のためにピアノを教えて頂いた先生2人

大学時代にピアノを教えて頂いた先生1人

大学を卒業してからピアノを教えて頂いた先生2人

 

私は今まで、7人の先生からピアノを教えて頂きました。

 

子どもの頃に近所で習っていたピアノ教室で、レベルが上がってきたから、という理由で

他の先生にバトンタッチされました。

その後、音楽で大学を受験するために、さらにレベルの高いピアノレッスンをして下さる

2人の先生に教えて頂きました。

大学在学中は個人レッスンをしてくださる大学教授にずっと師事。

卒業してからも、在学中からお世話になっていた大学教授にホームレッスンをして頂くため、

1ヵ月に1、2回レッスンに伺っていました。

卒業後、5年くらいは通っていたのですが、年配の先生だったので、

体調面からレッスンを続けて頂くことが難しくなり、

知人の紹介などで、その後は2人の先生に教えて頂きました。

 

それで、今日の私がある訳ですが、同じ教え方をする先生はいらっしゃいませんでした。

同じ曲をレッスンして頂くのでも、違うことを言われたこともありました。

まだ子どもだった私は、「なんでやねん・・・」と心の中で呟いていたのですが、

先生に自分の思いを伝える勇気というか、自信も無かったので、言われるがままでした。

 

けれども、今なら、その理由が分かります。

 

それは、先生の好みがそれぞれ違うから。

言わんとすることの表現の仕方がそれぞれ違うから。

 

ペダルの使い方にしても、「ここはペダル使わないで弾きなさい」と言われていたけれど、

私はペダルを使って演奏したいフレーズがありました。

先生の前ではペダルを使わずにレッスンを受けたけれど、違う先生の所でレッスンを受けた時には

ペダルを使って、反応を伺ってみたり・・・

 

使う教材も先生によって違いますよね。

それは、先生によって、この教材が使いやすい、と感じたり、

この教材で教えた方が伸ばしてあげられる、と感じたりするものが違うからです。

 

 同じ曲でも、演奏する人によって、全く違って聞こえてくるのもそうです。

曲への解釈や、好みが違うから。

 

ですから、初心者の方や、初級のお子さんの場合でも、

先生を変わると不安を感じることがあるかもしれません。

「前の先生は、もっと細かく指導していたのに、これくらいで、この曲を合格にしちゃって良いの?」とか。

「手の使い方に細か過ぎる・・・これじゃ、前に全然進まないよ」など。

でも、どれも、間違っていないと思うのです。

先生は、みんな、上達させてあげたいと思ってレッスンしています。

ですから、それぞれの状態を見て、今は、これができるようになったら良いことにしよう、とか、

今、これが出来るように悪いクセを直して欲しい、とか、狙いがあると思うのです。

それは、先生それぞれが考えることなので、他の人から見たら「違うんじゃない?」と感じることもあるかもしれません。

でも、ちょっとでも不安に感じたり、もっとこうしたい!

ということがあれば、遠慮せずにおっしゃって頂きたいと思っています。

 

同じ山を登っていくのであっても、ゆっくり登っていく人や、

休み休み、植物を観察しながら登って行く人。

とにかく頂上目指して、わき目もふらずに登って行く人がいるのと同じでは無いでしょうか。

さらに、同じ登山が趣味でも、ハイキングで登る登山が好きな人と、

世界の名峰を登るのが好きな人とでは、色々と違ってくるのは明白ですよね。

 

ピアノでも同じですが、その先生の思いと、生徒の思いが一致しないと、レッスンはうまく行きません。

生徒さんが先生を信用できないようでは、レッスンを受けていても時間とお金の無駄だからです。

 

そうならない為にも、コミュニケーションは大切だと考えています。

ピアノの先生と生徒、という関係の前に人間同士、相性が合うかどうかや、

考え方が合うかどうかということがピアノのレッスンにも影響してくるのでは無いでしょうか。

ですから、他愛無い日常の話や、ちょっと面白いことがあった話、美味しいお店を見つけた話など、

気軽にできるような関係を築いて、お互いに信頼し合えるようなレッスンができるようにしていきたいな、と思っています。