ピアノ初心者の子ども向け楽譜選び

初心者の子どもがピアノを始める時に初めてで出会う練習曲は、

「これからどんな楽しいことが起こるのかな」と思えたり、

「この曲を弾いてみたいな」と思えるようなものが良いのでは無いでしょうか。

もちろん、そういう気持ちを持たせながらも、

長い目で見た時に、どのような力をつけさせていきたいかを考えた練習曲、

教材選びをしていかなくてはならないと考えています。

 

ただ、「練習曲」と言っても、初心者の子どもが1曲ずつ色々な曲を探して弾くということは殆ど無いので、

ここで言う「練習曲」とは、練習に使用する「曲集」という意味です。

では、どのような練習曲を選べば良いのでしょうか。

 

ピアノのレッスンの通っている方の場合、大抵、ピアノの先生が練習に使う教本は選んで下さいます。

ですから、自分で練習曲の本を選んで持って行かなくてはならない、ということは

殆どありません。けれども、お母様やお父様が少しピアノが弾けて、

初歩段階くらいはレッスンに通わずにピアノを教えてあげたいけれど、

どんな本を選べば良いか分からない、という方は参考にしてみて下さい。

 

大きな音符で書かれていて見やすい楽譜であること

音符は5線の上に書かれていますが、小さい子どもには、どの線の上に書かれている何の音なのかが

ハッキリと分かるように書かれていなければ、練習しにくいですし、すぐに嫌になってしまいます。

子ども向けの絵本と同じで、絵などが多く、字が少なくて大きく書かれているものをイメージして選ぶと良いでしょう。

 

理論ばかりが書かれていないこと

小さい子どもに理論を説明しても、難し過ぎますので、必要最低限の説明があれば良いでしょう。

 

1拍の音符から練習できるようになっていること

幼児がピアノを始める時、数を数えるのは、まだまだ難しい可能性があります。

それなのに、ピアノを弾きながら拍を数えなければならないとなると、とても大変です。

ですから、音の高さをまずは確実に覚えていくためにも、2拍数えなければならない音符や

4拍数えなければならない音符が最初から出てくるような楽譜は避けた方が良いかもしれません。

 

 

見た目で分かること

例え正しいことであっても、難しい文章を並べて書かれていては、

初心者には難しいという気持ちしか沸いてこないのでは無いでしょうか。

できれば、文章よりも図やイラストで分かりやすく解説している楽譜が良いでしょう。

 

 

最初から両手で弾くように書かれていること

ピアノは両手を使って弾く楽器ですが、

初心者の子どもには右手から少しずつ慣れさせた方が良いのではないかと思われる方もいるかもしれません。

実際、一度に両方の手をバラバラに弾くことは大変難しいことです。

ここで言う「両手で」というのは、右手と左手を小節ごと、もしくは何音かずつ交代で弾くということです。

大譜表と言う2段組みの五線譜からなる譜表を用いてピアノの曲は作られていることが多いのですが、

上段にはト音記号が書かれていて右手で弾くようになっています。

下段にはヘ音記号が書かれていて左手で弾くようになっています。

(まれに、上段、下段ともにト音記号で書かれていたり、両段ともへ音記号で書かれていたり、

または、違う音部記号であることもありますが、まれです。)

これらの読み方に早い段階から慣れておくと、音符の読み方でつまずくことが少なくなると思われます。

 

ポリフォニー音楽が多数掲載されていること

ポリフォニー音楽とは、”右手がメロディーで左手が伴奏”というように、

旋律と脇役が明白になっている形式の曲ではなく、

右手も左手もどちらの音も重要で、どのパートが主役かが明確になっていない音楽のことです。

こういう音楽に始めから慣れておくと、上級になっていった時に

バッハ等の曲を演奏する時に抵抗なく練習に取り組みことができるでしょう。

 

知っているような曲、楽しい曲が掲載されていること

全く知らない曲を練習するより、知っている曲、楽しい曲を弾く方が練習が楽しくなるのは、

大人も子どもも同じです。

そういう意味からも、誰もが知っているような簡単な曲が掲載されているものを選ぶのがおすすめです。

 

簡単な曲が多数掲載れていること

難しい曲は、弾けるようになるまで時間がかかってしまいます。

なかなか弾けるようにならないと、練習していてもつまらなく感じてしまうはずです。

始めのうちは、少し練習すれば弾けるようになるような簡単な曲が多い方が良いでしょう。