ピアノの先生の選び方

ピアノ教室には大きく分けて2種類あります。

まず1つ目は先生が自宅の一室にピアノを置いて、そこでピアノ教室を開いている場合。

そして、もう1つは楽器店が経営するピアノ教室です。

 

ピアノ教室を選ぶ時の基準は人それぞれで、目的によっても変わってきます。

「自宅から近いところにピアノ教室を見つけたので、子どもがひとりで通えそうだから」

「お友達が通っているから、一緒のピアノ教室が良いかな」

「お友達が誰も通っていないから、自分の子どもと進度を比べなくて済む」

「有名な音楽大学でも教えていらっしゃる先生みたいなので、信用できそう」など。

 

しかし、先生が違えばレッスン内容も変わってくることが予想されます。

始めに習った先生とは相性が悪かったばっかりに、ピアノが嫌いになったのでは勿体ないことです。

ピアノ教室選びは初めて習う方こそ慎重に行わなければなりません。

 

音楽学校で教えている先生

いわゆる、教授、助教授、講師、と呼ばれている先生方です。

学校で音楽の専門教育を受けている生徒に個人レッスンをしながら、

自宅でもそれ以外の生徒にピアノを教えています。

こういう先生はご自宅に看板を出したり、折込広告を入れたりはしません。

誰かの紹介などが無いと門下生にはしてもらえないことも多いです。

そして、習っている生徒はとてもレベルが高いです。

当たり前ですが、音楽学校でピアノの先生をされるようになるまでの険しい道のりを考えれば、気が遠くなります。

色々な物を犠牲にして、音楽に人生をかけ、著名な先生方に師事して、

有名な音楽学校に通い、海外留学をして、さまざまなコンクールに入賞し、リサイタルを開き、現在があるのです。

その先生がレッスンされるのですから、生徒も、それなりの心構えがないとついていけません。

「とりあえず少し弾けるようになれば良いかな」と考えて通っている生徒など居ないと思ってください。

先生も、そういう意識の生徒のレッスンは殆どされません。

では、どのような生徒が通っているのでしょうか。

 

先生が教えている音楽学校に入りたい人。

もしくは、他の音楽学校でも構わないから音楽の専門教育が受けられる学校に入学したい人、

ピアニストを目指している人、コンクールに出場したい人をレッスンしている先生です。

 

音楽学校を卒業している先生

音楽大学、芸術大学、教育大の音楽課程出身のピアノの先生です。

木村ピアノ教室もこの部類に入ります。

詳しくは講師の紹介ページをご覧下さい。

音楽学校で教えていらっしゃる、厳しい先生のレッスンを受けて、

遊ぶ暇も惜しんで練習し、音楽学校の受験を突破し、卒業することができたのですから、

ある一定のレベルは保障できると言えるでしょう。

一流音大のピアノ科卒業ともなれば、幼少の頃から音楽漬けの毎日を過ごしているので、

知識も豊富でレベルの高いレッスンが行われます。

人にもよりますが、”音楽学校で教えている先生”並みに厳しいレッスンをされる方もいらっしゃいます。

そして、音楽大学は卒業しているけれども、ピアノ専攻では無かった先生もここに含まれます。

どういうことかというと、作曲科、声楽科、打楽器専攻等を卒業した先生も

ピアノを教えていることがあるということです。

音楽学校で何を専攻しようと、受験には必ずピアノの実技試験があります。

また、入学後もピアノレッスンとピアノの試験はついてまわります。

ですので、それなりに弾けないと卒業できませんし、ピアノのレベルに開きはあるかもしれませんが、

音楽の知識はそれなりに持っていると考えられます。

 

各音楽教室の講師資格を取得した先生

前述した楽器店が運営する音楽教室でグレード試験を受けていき、

その教室での講師資格を取得した先生です。

楽器店でのレッスンと並行して、自宅でも教室を開き、ピアノを教えている先生がたくさんいます。

もしくは、認定教室として、自宅レッスンであるけれど、

楽器店のレッスンと同等のものが受けられるようにしている先生もいます。

努力して試験を受けて取得した講師資格ですので、ピアノのレベルもある程度保障されていると言えます。

研修を受けて、決められた教材を主にしてレッスンを進めていきます。

ですから、人にもよりますが、個人の要望通りのレッスン内容になるかは判断しかねるところです。

しかし、確実にレベルを上げていくノウハウを伝授されている訳ですから、頼もしいと言えるでしょう。

 

音楽の専門教育を受けていない先生

音楽の専門教育を受けていないなんて、ピアノもろくに弾けないのに先生を名乗るなんて詐欺じゃないか、

と思われるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。

「ずっとピアノを習っていて、音大を目指すほどの気持ちは無いけれども、

ピアノを生かしたことをしたいので保育科に進んだ」先生もいます。

こういう人は子どもの扱いには慣れていますし、ピアノを楽しく続けてきた経験から、

初心者の幼児には良い先生だと言えるかもしれません。

また、単純に大人になるまでピアノのレッスンを受けてきて、

師事した先生は音楽学校を卒業した先生であったり、

音楽学校で教えている先生に師事していた場合です。

上級の曲は弾けるようになっていますし、自分自身に何も肩書きが無いのを負い目に感じて、

教材研究を頑張っている先生の場合があります。

趣味で習いたい、子どもに優しく教えて貰えそう、という目的で選ぶのには適していると言えるでしょう。

 

先生には色々な方がいることは分かって頂けたと思いますが、では、どんな先生が良い先生なのか。

ピアニストになりたいのか、趣味で少し教えてほしいのか、で先生選びが変わってくることは述べましたが、

どのような先生に習うにしても基本をしっかり教えてくれる先生でなければなりません。

 

過去に、5年も習っているのに、音符も自分で読めず、上達しないので

「上手になりたい」と泣きながら、他のピアノ教室から私のピアノ教室へ移ってきた生徒さんがいました。

どのようなレッスンを受けてきたのか、たずねてみると、

先生が楽譜に書いてある音を隣で弾いて、真似をさせて弾かせるスタイルだったとか。

ですから、自分で音符は読めないし、リズムも分からない。

何となく弾けるけど、自分で練習できない。

ピアノは好きなのに好きな曲も満足に練習できない限界を感じて辞めて、

その生徒は”別の先生に習う”という選択をしたのです。

 

先生の中には、練習をして来ない生徒のレッスンが退屈すぎて居眠りをする先生や、

一昔前だと、楽譜を破ったり、手を叩いたり、

座っているピアノの脚を蹴ってくる先生も珍しくありませんでした。

このような先生を選ばないためにも、先生の経歴だけではなく、

実際に習っている生徒の話や噂を聞いてみるのも一つです。

しかし、人間同士には相性もありますので、

お友達が「良い先生よ」と言っていても、自分にはそう感じられないということもあります。

一度先生と会ってレッスンの方針等を聞き、

先生の雰囲気を感じてから、入会を決めることをオススメします。

また、その教室の発表会を見に行くのも参考になります。

生徒がどのようなレベルの曲を弾いているか、客席のマナーはどうか、なども

先生を選ぶ時の判断材料になるからです。

 

これらを総合して、自分の目的に合った先生を選んで

楽しいピアノのレッスンを受けられるようにして下さいね。